2011年7月1日金曜日

きらいだから好きになる

きょうはちょっと語りますよ
もうすぐ、ダンス部のニューカマーイベントがあるんです。
月曜日に、それにむけてリハーサルがあったんです。
それで、おもったこと。
さいきん、ちょっとずつ部活のレベルは落ちてきているような気がします。
もちろんうまい子もいるし、頑張っている子たちはいる。
でも昔の先輩がたのように、インパクトのある人は減ってるな、、と。
あたしがやってるジャズに限っていえば、まともに踊れる子はほとんどいません。
あたしが踊れてるかっていうと、まだまだ納得はできないけど。今踊ってる人たちの中では踊れてるほうなのは確かなので。

なんかね、危機感みたいなものが足りない気がする。
ちょっと前まで、ダンス部はジャズとストリートに分かれてて、ジャズの人たちは引け目を感じながら踊っていました。
ストリートとは全く別物だし、ジャズがかっこいい、っていうイメージはなかったから。
「あたしたちこんなの踊ってていいの?」
って思いながら踊っていたらしい。
それをジャズコンプレックス、略してじゃずこんとよびます。

だからこそ、どうにかかっこよく、ほかの人たちと肩を並べて踊りたい、という思いで先輩は頑張ってた。
あたしのひとつ上の先輩も、ジャズコンがあって、いっぱい頑張って、a-nationのバックダンサーのオーディション受けてアーティストの後ろで踊って、ダンスを磨いたりしてました。
自分にすごくコンプレックスがあって、それをどうにか克服したくて、みんながんばってた。
ちょっとでも自分をすきになりたくて。

あたしは昔バレエをやっていたし、きみうまいね!ダンスしない?ってよさこいで誘われて入部したから、最初はそこそこ動ける自信がありました。
はじめてショックを受けたのは、12月の小さなイベントでの動画を見たとき。
自分のイケてなさに驚愕。
バレエとダンスは違うことを、そして10年近いブランクの大きさを感じたのです。
それからはどうしたらかっこよく見えるか、どうしたらセクシーに踊れるかを考え続けて踊りました。
レッスンに行ったり、他のジャンルに手を出したり、先輩と一緒に踊りたいってお願いしたり。

鏡を見ると自分のかっこわるさに嫌気がさすけど、ちょっとでもイケてる面を見つけるべく、鏡に向かい続けて。
イケてる面が見つかったら、そこをすごく好きになれる。
ようやく、ちょっと自分のダンスを認められたのは3年生くらいの時かなあ。
その頃の動画も、今見るとだっさいなーって思うけど。いまの自分を来年見たら、また「この頃はまだまだだな」って思うのかもしれないけど。

何かを習得する時、最初は真似から始まると思います。
ほかの人の動きを真似する。
おんなじようにやってみる。
できるようになったら、次は比較。
上手い人と、どこが違うのか。上手な人、目指したい人をたくさん見て、自分の中にイメージを作ります。
それと、自分を比べてみる。
なんで自分はこうなっちゃうのか。なんであの人はああなれるのか。
途中に、誰かのアドバイスが入ることもあるでしょう。
それがある程度熟してきたら、自分のイメージが自立してくると思うんです。
あの人に関係なく、自分はこうしたい。っていうイメージ。
そうしてオリジナリティが生まれる。

ま、独自性ってのは初めからもってるひともいると思うけど。

このプロセスは、ダンスに限った話じゃないとおもいます。
手術だってそう。
上手な先生と自分はどう違うのか。
左手の使い方?力の向き?指の動かし方?
そうして習熟していって、自分なりのやり方が確立していくんじゃないかな。

自分をあるがままに認識できないと、比較はできません。
自分に満足した時点で、比較は終わります。
あの人とあたしは違う。あたしはあたしなりに十分がんばった。
って思ったらおしまい。もう伸びれないよ。

なんかね、今の子たちって、自分に満足しちゃってる気がするんです。
先輩みたいにできません~
って言って、でもその先に進まない。
あたしたちの教え方がまずいのかもしれません。
あたしとどこが違う?
って考えさせてあげたら変わるのかも。
ここがこうだからダサいのよ
って言ったら分かってくれるのかも。

いや、言ってるつもりなんだけどな、まだあたしも修養が足らんな。
上手な先輩が上にいたから、ジャズってかっこいい。
ってイメージが今の子たちにはあります。
たぶん、彼らにジャズコンはない。
だからかな、危機感が少ない気がする。
どうにかして上手くなりたい、こんなダサい自分はイヤ!っていう切実さが、感じられない。

あとは自己陶酔かな。
練習では自分キライ!って思ってても、ステージの上でだけは、自分を誰よりも好きでないと。
あたしだけを見て、あたしこんなに輝いてんのよ。
って気持ちで挑発しないと、お客さんには伝わらない。
自分を好きじゃなきゃ、人にも好いてはもらえない。

セクシーな踊りはセクシーに、可愛い踊りは可愛らしく、キレイな踊りは清純に、挑発したらいいのです。そのキャラになりきって、浸って発散したらいい。
たぶん、あたしの尊敬する先輩がたも、あたしも、自分のことを好きになりたいひとなんです。
コンプレックスがありすぎて、どうにかして自分を好きになりたいから、頑張ってる。
本番だけは、自分大好き!ってのが爆発する。
そんな感じかな。
みんなにも、もっと自分をあるがままにみてほしい。自分より上の人と比べて、自分がいかにイケてないか痛感して、そしてその人を越して自分を好きになるために必死になってほしい。
ダンスバカとして、そう思います。
ま、後輩はだれもこれ見てないんだけど。

ちょっと熱く、語ってみました。
リハのあと後輩の前でもつい語ってしまって、それからみんなの態度も変わったような気がします。
必死さが出てきたかな。
あんまり怒ったら嫌になっちゃうかな、と恐れて、優しくしすぎたあたしたちも悪かったんだと思います。
愛のある厳しさは、必要だよね。
これからもがんばろ。


こんなんやってます