2011年12月8日木曜日

室戸貫歩 こぼれ話

全6回にもなってしまったムロカン日記。
その後日談とこぼれ話です。

もうその話題はいいわ。 ってかたはするーな方向で。


室戸貫歩、出発は9時。
多少前後はすれど一斉にスタートするので、しばらくすると同じくらいのペースの人たちはだいたい同じくらいの位置になります。
速い人は先に行って、遅い人は下がって、中くらいの人は真ん中に。

だから、抜いたり抜き返したり、同じくらいのペースの人とは87キロのあいだに何度も出会うわけです。だんだん覚えてくるわけです。

あ、あのひと旅鯨の集団だーとか、あだ名の名札つけてる人たちだ、とか、何部の集団だとかカップルだとか。
かってに親近感もわいてきます。

あたしら2人組は、歩くスピードはそこそこ速いけど休憩が長かったから、休憩のあいだに抜かれては歩いて抜き返すのを繰り返してました。
ずっと同じテンポでひとり歩き続けてる人がいて、すごいねー。って言ってたら実は先輩だったりもしました。
あ、あそこの彼女のほうがだいぶバテてきてる。大丈夫かな。
とか、
4人だった集団が3人になってる。もう1人はどうしたのかな・・・
とか。
ま、むこうからしたらどうでもいいお節介かもしれないけど、心配してみたり。
彼らの多くには、室戸が近づいてこちらがペースダウンした後にだいぶ抜かれてしまいましたが。

ひとり、青いジャージのひとがいました。
たぶん後半で見るようになった人で、抜かしたり、こっちが休んでるときに抜かれたり、を繰り返して、最後のコンビニでもうちらが着いたら出て行って。
かなりしんどそうに1人で歩いてたから、じぶんたちのしんどさもそっちのけで応援してました。その後室戸の町を抜けたあたりで彼に追い付いたら、ちょうどサポーターが来たらしく、青から赤に着替えていました。
以来、「赤い人」。
そこであたしたちが抜いて以降、あたしたちの前に出ることはなかったのですが、
赤い人きてるかな・・・
って、ときどき振り返りながら歩いてました。

そのあと彼は見えなくなってしまい、あたしたちはゴールして。
帰りの車、赤い人どうしてるかな、無事つけるかな、、
って窓から外を見ていたら、
見つけました。
両手に杖がわりの棒を持って、歩き続けてました。

なんか嬉しかった。
あーると一緒に、3時までにはゴールできるね、って話しました。
きっとあの人は無事ゴールできたと思います。
そういうよくわかんない連帯感が、ムロカンでは生まれるのかなと思いました。
だって80キロ以上の同じ道を同じ日に歩いた仲間だもん。
限界を超えて。


あーでも考えてみたら、あたしとあーるもカップルに見えたんかな。
男のひとと女のひとが一緒にいたら、カップルかな、って目で見ちゃうのはあたしだけじゃないはず。あたしたちもそう思われてたのかもしれません。にぎやかなカップルやなーって。笑

カップルでムロカンを歩くと別れるって話をよく聞きますが、
よさこいで付き合ってムロカンで別れる、なんてパターンも聞きますが、
付き合う前に一緒に歩いたら、それは良い方向に働くかもって思いました。
まだ遠慮と尊重がちゃんとあって、励ましあって文句も言いすぎずに歩けるから。
そしたら吊り橋効果的なものがうまいほうにもってってくれそうな気がする。
あたしとあーるは違うけどさ。
までも今までよりも距離は近づいたよね、たぶん。

後半ペースダウンしたあたしたちですが、ゆっくりな人に合わせるのはしんどい。
ってのを実感した後半でもありました。
あたしの方が頑丈だったみたいで。
ゆっくり歩くには、歩幅を縮めるのとテンポを落とすのとあるけど、テンポを落とすのは余計に筋肉使うからしんどい。歩幅を狭めることになるわけです。
そうすると、足の裏に体重がかかる回数が増えるぶん、足が痛くなりやすい。そんな気がしました。だから足の裏はさいごだいぶ痛かったです。
でも、筋肉はそうでもなかったのよねー。

翌日、カラダウゴカナーイ って事態をどこか期待しながら目を覚ましたのですが、
あれ?あんまりイタクナーイ。
起き上がれちゃったし。歩けちゃってるし。
ふらふらしてるのは、単にたくさん寝過ぎて低血糖なだけだろうし。

腰と水ぶくれをかばってちょっと変に使ってしまった右足の筋肉一か所を除いて、ほとんど筋肉痛はありませんでした。
階段登れちゃってるよ、なんか違うよー、こんなはずじゃなかったのにー。。
なんか逆に悲しい。
火曜日にはひどくなるかな、って期待もしましたが、全然。
余裕でダンスしてさらには夜ジョギングもしちゃいました。

なんでこんな体力バカなんだ、あたし。
バレエに始まり日々駆け回って自転車とテニスと合気道とダンスで鍛えた筋肉、合気道とダンスとよさこいの裸足族で鍛えた足の裏は、ちょっとやそっとじゃへこたれない逞しさを獲得していたようです。
痛かった膝も足の裏も、一晩寝れば元通り。
がっつりダンスしちゃった翌日とか、調子に乗って5キロ走っちゃった翌日のほうがよっぽど痛くてしんどかったわ。

もっとちゃんと女の子らしく、イターイ、アルケナーイ、って言ってみたかった。
でも残念ながら、あたしはすっかり元気です。
悪いことじゃないんだけどさ、なんかさ。。

以上、後日談でした。
自慢じゃないよ、悲しいんだよ、ホント・・・。

室戸貫歩は走って〆る


キラメッセを出て、最初の目標は行当岬。
いきあたりみさきじゃないです、ぎょーどーみさき。

ここを越えたら室戸岬が見えてくるはず。


ちょっと元気の出る風景に出会いました。
逆光に木。すき。



行当岬を過ぎて、向こう側に室戸岬が。
とおい・・・まだまだ遠い。


そりゃそうか、あと10キロくらいっていえば近い気がしたけど、
全体が90キロとしても9分の1。
そう思うとけっこうなキョリです。

限界を超えかけて、1キロおきくらいに休憩しながら進みました。
もう、あんまり低い所に座るのはつらいから、家のあいだにある膝くらいの高さのブロックの仕切りとか、海に降りる階段とか、ベンチとかにすわって。

あの橋まで、とか、あの信号まで、とか、小目標を立てて歩きます。

「ここまで歩いてこれたんやから大丈夫」
ってメールにまたも元気をもらいました。
そうだよ、もう80キロちかく歩いてきたんだよ、あたしたち。
すごいよ。


町を通って、そしてやっと見えてきた、室戸岬6kmの標識。




いま時速3キロとして、あと2時間?
近いようでまだまだだねー。。
でも、タイムリミットまでには着けそうです。
田野以降大幅にペースダウンしてからは、心の隅でちょっと危ぶんでいたので。
午前中のうちに着けたらいいな。

残り5キロの地点に最後のコンビニ、ヤマザキがあって、そこで休憩。
飲み物と食べ物を補給。
この日はよく晴れて日差しが強かったので、紫外線対策にビタミンC入りのさっぱり系ドリンクにしました。早くもお肌のアフターケアを考えて・・・笑
お店のおばちゃんが、頑張ってねって応援してくれました。

ここであーるとあたしの荷物を交換して、
買ったガルボ(チョコ)を休憩のたびにつまみながら、海沿いをすすみます。
サポートに頼るつもりのなかったあーるの荷物はあたしよりちょっと多めで。
ぜったい軽い方が楽だから!と。笑

晴れ空の下、海もこんなにきれい。真っ青でした。


道行くひとがあと4キロ!って応援してくれたり、
とちゅうに事故だったのかパトカーが2台も止まってたり、お遍路ツアーらしき人々とすれ違ったり。
最後の白い橋がとても長かった。
歩道が狭い橋の上では休憩もできなくて、がんばって歩きとおしました。
渡りきるなり休憩しました。

そして室戸スカイラインの入口を過ぎて、道がおおきく左にカーブして。


こんなのとか。


室戸岬って書いてあるよー。

中岡慎太郎はもうちょっとだけど。

慎太郎ー、どこだー!

なんて叫んだりして。
そして慎太郎が見えた時の嬉しさと言ったら。

走りましたよ。
ゴールの時は走るって、前半から決めてたんです。
まずは交換してた荷物を戻して(笑)、とても走れないあーるを先に行かせて、その後ろから10mくらいだけ走って一緒にゴール。ちーちゃんやヨット部のみなさんも出迎えてくれました。


ゴール時刻はぎりぎり11時59分


貫歩認定証をいただきました。
これ欲しさに参加登録したといっても過言ではありません。
さいしょはゲリラで歩こうかとも思いましたが。
記念ができてよかった。
ちなみにこの認定証、手のひらよりも小さいとってもコンパクトサイズ。

ふたりとも認定証をもらって、あーると握手を交わし、ちーちゃんと抱き合い、それから記念写真とりました。


いちおーあーるは隠してみた。

さて、1日半歩き続けてあまりにもオノレがくさいので、とりあえず着替え。
あたしがサポートに預けた荷物に歩くとき必要なモノは懐中電灯とホッカイロと少しの食料しかなくて、ほかは結局使わなかったカッパと、ゴールしてから足を解放するためにサンダル、それから着替えとタオル。

こいつナメてるって思われたかな。。すいません。

ともかく、サンダル履いて、着替えて。
左足の裏の水ぶくれは少々痛いけど、小指の水ぶくれも圧迫されないし、さっぱりしました。
ヨット部の人たちには、元気すぎる・・・ってまたも驚かれたらしい。
まあ、ね。体力はそこそこあるし、脂肪でいっぱい溜めこんでいますから。

でもやっぱり疲れてて、帰りのちーちゃんの車では爆睡しました。
最後の長かった白い橋を一瞬で渡っちゃったことに若干のショックを受けたとこまでは覚えてるけど、つぎに目覚めたらもう学校の近く。
おうち帰って、シャワー浴びて、寝ました。
14時間も寝ました。起きたら月曜日の朝7時。

もう実習がはじまっちゃうよ・・・


こんなかんじであたしの初めての室戸貫歩は幕を閉じました。
長かった!
けど、終わってみるとまた挑戦したくなります。
来年も歩こう!そんで、余裕でゴールしてやろう。
って、あーるとも話しました。

めっちゃ鍛えて土曜日中ゴールを目指すとか、さすがにムボウかな・・・
でも先輩の中にはいるらしい。
それでも32位くらいだったとか。
猛者はこの世にたくさんいるのですね。


やっとこさ完結しましたムロカン日記。
このあと後日談とこぼれ話の番外編を書こうかなとも思っていますが。
ひとまず。完全に個人的日記な細かさの記事を、ここまで読んでくださったかたありがとうございます。
経験者の方はあの時を思い出し、未経験の方は挑戦するときの参考にでもしていただけたら幸いです☆


それでは、第51回室戸貫歩、これにてしゅう~りょ~う。