2012年1月25日水曜日

柳のようにしなやかに

先週の土曜日、「こころのケアセミナー」に行ってきました。
研修医向けのメンタルヘルスの勉強会なんですが、年の近いOBの先生が講演なさって、座長もOBの先生ということで、学生もかなり来てました。

SOCについて。

SOC、首尾一貫感覚。

過酷なストレスにさらされてなお、心身の健康を保ち、さらにはその体験を成長の糧にできる人、はSOCが高かったんだそうです。

自分を客観的にみることができて、一見無意味無益時間の無駄にみえる体験にも意味を見出して取り組み、先の見通しを立てて、処理することができると感じられる、能力。

現実と自分の目指すものに乖離がうまれたとき、一本の芯は貫きつつ、しなやかに目的を変化させられる感覚。

これが低いと、うつ病なんかになりやすいらしい。

初めて聞く、心ひかれる話題でした。

SOCがよく発達するのは乳幼児期、思春期、20~30代だそうですが、考え方を少し変えることで、SOCの低い人もある程度ストレスに対応していけるんじゃないかなあ。


ちなみに座長をした先輩に、ねこはSOC高そうだね、と言われましたが、
あたしもそう思います。
実際、ネットにあった短縮版でやってみたら、標準値内で、いちばん上でした。
(SOCは評価尺度で測ることができます。もとは29問、短縮版は13問くらいの質問形式)
あんまりSOCが高すぎるとそれはそれで人格に問題ありらしい(人に責任を押し付ける、他人を困らせてもストレスに感じないetc)ので、そのくらいでいいかなと思います。

ストレスっていっぱいあるけど、
「今もやもやしてる理由は何だ?」って、原因を自己分析するだけで、ずいぶん軽くなります。
たとえストレスのもとが解消しなくても、知ってるだけで違います。
今やってることが何かに繋がってる、と思うこと。
今、自分がやりたくてこれをしてるんだ、と思うこと。
うじうじ考えてひきずらないで、どうにもならないことは横に置いておくこと。

あたしのストレス対処法はそんなとこかな。
たまには逃避もするし。


あたしの芯はたぶん、30年後くらいに、どっかのムラでおじーちゃんとおばーちゃんに囲まれて、
「きょうはあの人来ないねえ、具合悪いんやろか」
なんて患者さんが世間話してるような診療所で暮らすことです。
いまのとこ。

そして、今いっぱい楽しく、好奇心に素直に生きること。
やりたくないものにもちょっとだけ興味を持って、きっとどこかで活かされる、って思いこんで。笑

人格的な、SOCの高いひとでありたい。



それから面白かったのは、メンタルヘルスケアの話。

勤労者のメンタルヘルスケアには4つ、セルフケア、ラインケア、事業所のスタッフによるケア、事業所外の専門家によるケアがある。
そのうちいまあたしたちにもできそうなのは最初のふたつ。
自分でのケアと、周りによるケア。
この、周りによるケアって、大事にしなきゃいけないな、と思いまして。

うつになっても、周りに相談できないひとが大半だそうです。
周りが気づければ、救われる人はきっといる。

自分の周りの人たちは、メンタルヘルスについて勉強してるし、理解を持ってる、
って認識があれば、自分が調子悪くなったときに相談しやすいと思う。少しは。

だから、先輩方が講演会を企画して、呼んでくださる、こんな企画、素敵だな、と思いました。
あたしもメンタルヘルス、勉強しようかな。
自分が図太い人間なだけに(中身はガラスのハートだと信じているけど)、ひとの弱さに鈍感になってしまうのが怖い。